○スクリュー、シリンダーなどが摩耗するには多くの原因があります。
○摩耗発生原因としては、下記要因が考えられます。
摩擦摩耗とは、硬い粒子が、スクリュー外周とシリンダー内面と接触し削り落とす現象をさします。
特にガラス繊維の含有率が高いプラスチック・マグネット・マイカなどの硬い粒子が含まれる樹脂が接触する事により発生します。摩擦摩耗を軽減させる方法としては、スクリュー・シリンダー・各種部品を耐摩耗性に優れた鋼材に変更する事と考えます。
腐蝕磨耗とは、樹脂を加熱し溶解される過程で発生する腐蝕性化学成分により、スクリュー外周・シリンダー内面が化学的に侵される事をさします。一般的には腐蝕性化学成分を発生させるものとして、フッ素系樹脂があげられますが、スーパーエンプラと呼ばれる各種ブレンド樹脂・芳香族樹脂などでも発生します。現象としては、金属表面が痘痕状になる場合が多く、スクリューの先端部が摩耗し易い理由としては、この部位が成形過程にて最も高温になる箇所である事があげられます。腐蝕摩耗に最も効果的な対策はスクリュー・シリンダー・各種部品を耐蝕性に優れた鋼材に変更する事と考えます。
凝着摩耗とは、スクリューとシリンダー表面などが、樹脂の滞留などによる金属接触にて発生する事をさします。成形条件など成形樹脂に対して適性でない場合、スクリュー回転による局部的な摩擦が発生し、スクリュー・チェックリング外周とシリンダー内面が接触し、硬化層が剥がれてしまう事により発生します。これを回避するにはスクリューとシリンダーの材質の組み合わせ変更、成形樹脂に対するスクリューのデザイン変更であると考えます。また、部品組み付け時の芯出しによる影響も大きく、注意が必要です。